
研究開発 シミュレーション
生産技術本部 CAE技術部 主幹研究員 / エキスパート
工学研究科マイクロエンジニアリング専攻修了
2015年入社

01
卓越した専門家集団の一員として
Computer Aided Engineering(CAE)技術を駆使し、旭化成グループの製品や製造プロセスの設計開発を推進する専門チームが、CAE技術部である。「世界最高のCAE技術で、まだ見たこともない世界を提供し、旭化成グループの事業に貢献する」という部署のスローガンのもと、全事業領域を横断的にカバーする、旭化成になくてはならない存在だ。
「1人ひとりが何かしらの専門性を有するプロフェッショナルですので、業務は個人が単独で担うのが基本的なスタイルです。どのようなスケジュールでどのように進めるか、ゴールをどこに設定するかなど、ほとんどの裁量は個人に委ねられています。この裁量の大きさが一番の魅力ですね。もちろん結果や責任は自分に返ってくるわけですが」
そう語るのは、流体シミュレーションのプロフェッショナルである安藤だ。事業部からバイネームでシミュレーションの依頼がくることが多く、彼もその点について「誇らしいです」と胸を張る。
事業部からの依頼に基づいて業務が発生するケースが多いため、サポート役と見なされることも少なくないが、CAE技術部はそのような補佐的な役割に甘んじることなく、能動的に提案する姿勢を大切にしている。
「例えばカーボンニュートラル関連の技術がトレンドとして重要だから、こんなシミュレーション技術を活用してはどうかと働きかけるなど、こちらから事業部に提案する動きが部署全体で活発化しています。それによって、今まで以上にCAE技術部のプレゼンスを高めていきたいと考えています」
「1人ひとりが何かしらの専門性を有するプロフェッショナルですので、業務は個人が単独で担うのが基本的なスタイルです。どのようなスケジュールでどのように進めるか、ゴールをどこに設定するかなど、ほとんどの裁量は個人に委ねられています。この裁量の大きさが一番の魅力ですね。もちろん結果や責任は自分に返ってくるわけですが」
そう語るのは、流体シミュレーションのプロフェッショナルである安藤だ。事業部からバイネームでシミュレーションの依頼がくることが多く、彼もその点について「誇らしいです」と胸を張る。
事業部からの依頼に基づいて業務が発生するケースが多いため、サポート役と見なされることも少なくないが、CAE技術部はそのような補佐的な役割に甘んじることなく、能動的に提案する姿勢を大切にしている。
「例えばカーボンニュートラル関連の技術がトレンドとして重要だから、こんなシミュレーション技術を活用してはどうかと働きかけるなど、こちらから事業部に提案する動きが部署全体で活発化しています。それによって、今まで以上にCAE技術部のプレゼンスを高めていきたいと考えています」

02
世界初のシステムを開発
流体シミュレーション技術の専門家として彼がチャレンジしたのが、シミュレーション技術を用いたUVC-LED水殺菌モジュールの設計開発である。
「例えば、台所のシンク下の水道管に取り付けたモジュール内部を水が通過する際、UV光を照射することで水が殺菌されるわけですが、どんな形状のモジュールにすれば殺菌効率が高まるかを、流体シミュレーション技術で明らかにします。その最適な形状の設計を短期間でアウトプットする世界初の自動最適設計システムを開発しました」
このシステムを使って設計・製造されたUVC-LED水殺菌モジュールは、お風呂の給湯器やウォーターサーバー等に搭載されて、私たちの身近で利用されている。
「事業部からの依頼で取り組みましたが、世界初という付加価値のあるシステムをつくることができました。ただシミュレーションを使って設計するだけでは面白くないので、こちらからプラスαの提案をしたわけです。それによって、設計期間の短縮や殺菌性能の大幅な向上も実現できました。まだ世界にないものを形にすることができ、やりがいを感じています」
現在彼が力を入れているのは、水電解である。カーボンニュートラル社会の実現に向けて注目されるのが、CO2を排出しないグリーン水素だ。その製造に使われるのが水電解技術である。
「流体シミュレーション技術を使って、水電解装置の設計に携わっています。事業化に向けてネックとなる課題の解決に向けて改善案を提案することに、会社の重要な事業戦略の推進に貢献している喜びを感じます」
「例えば、台所のシンク下の水道管に取り付けたモジュール内部を水が通過する際、UV光を照射することで水が殺菌されるわけですが、どんな形状のモジュールにすれば殺菌効率が高まるかを、流体シミュレーション技術で明らかにします。その最適な形状の設計を短期間でアウトプットする世界初の自動最適設計システムを開発しました」
このシステムを使って設計・製造されたUVC-LED水殺菌モジュールは、お風呂の給湯器やウォーターサーバー等に搭載されて、私たちの身近で利用されている。
「事業部からの依頼で取り組みましたが、世界初という付加価値のあるシステムをつくることができました。ただシミュレーションを使って設計するだけでは面白くないので、こちらからプラスαの提案をしたわけです。それによって、設計期間の短縮や殺菌性能の大幅な向上も実現できました。まだ世界にないものを形にすることができ、やりがいを感じています」
現在彼が力を入れているのは、水電解である。カーボンニュートラル社会の実現に向けて注目されるのが、CO2を排出しないグリーン水素だ。その製造に使われるのが水電解技術である。
「流体シミュレーション技術を使って、水電解装置の設計に携わっています。事業化に向けてネックとなる課題の解決に向けて改善案を提案することに、会社の重要な事業戦略の推進に貢献している喜びを感じます」

03
働きながら博士号を取得
旭化成では新規事業創出や既存事業強化に多大な貢献が期待できる人財を「高度専門職」と設定。彼はその一員であり、「エキスパート」と認定されている。働きながら大学院で学び、社会人博士課程で博士号も取得した。
「入社して最初に配属されたのが、守山製造所。当時は生産設備の設計などに携わっており、流体シミュレーションとはまったく無縁でした。ところが取り組んでいたテーマについて生産技術本部長に報告した際、本部長自ら私に“流体シミュレーションで社会人ドクターを取得してはどうか”とアドバイスしてくれたんです。その後、CAE技術部に異動となり、博士課程で学ぶことになりました」
なぜ部門トップの本部長が、入社間もない若手にそのような声をかけたのだろうか。彼は「理由は分かりませんが」と前置きして続ける。
「ちょっとだけシミュレーションに触れるような報告をしたことで、“この新人はシミュレーションに向いている”と判断されたのではないでしょうか。この一言で自分でも気づいていなかったポテンシャルが引き出され、技術者としての道が開けたのですから、心から感謝しています」
これに通じるのが就活時のエピソードだ。
「他社では当然のように志望動機を聞かれましたが、旭化成では研究内容についての技術的な質問や研究者としてのスタンスなどについての質問がほとんど。1人の人間としての私を見てくれていると感じました」
シミュレーションに向いているというアドバイスも、研究者としてのスタンスの質問も、その人の本質を見るという姿勢によるものだろう。これが旭化成の人財に対する普遍的なスタンスなのだ。
「入社して最初に配属されたのが、守山製造所。当時は生産設備の設計などに携わっており、流体シミュレーションとはまったく無縁でした。ところが取り組んでいたテーマについて生産技術本部長に報告した際、本部長自ら私に“流体シミュレーションで社会人ドクターを取得してはどうか”とアドバイスしてくれたんです。その後、CAE技術部に異動となり、博士課程で学ぶことになりました」
なぜ部門トップの本部長が、入社間もない若手にそのような声をかけたのだろうか。彼は「理由は分かりませんが」と前置きして続ける。
「ちょっとだけシミュレーションに触れるような報告をしたことで、“この新人はシミュレーションに向いている”と判断されたのではないでしょうか。この一言で自分でも気づいていなかったポテンシャルが引き出され、技術者としての道が開けたのですから、心から感謝しています」
これに通じるのが就活時のエピソードだ。
「他社では当然のように志望動機を聞かれましたが、旭化成では研究内容についての技術的な質問や研究者としてのスタンスなどについての質問がほとんど。1人の人間としての私を見てくれていると感じました」
シミュレーションに向いているというアドバイスも、研究者としてのスタンスの質問も、その人の本質を見るという姿勢によるものだろう。これが旭化成の人財に対する普遍的なスタンスなのだ。

04
専攻にとらわれず道を開いていく
彼の学生時代の専攻は機械だった。工学研究科の先輩の多くが自動車メーカーや重工業メーカーに就職する中、化学業界に進んだのはバイオ系の研究室に所属していたからだった。製造所を経てCAE技術部で本領を発揮している今の姿は、専攻にとらわれずに活躍の場を広げていける旭化成ならではのキャリアステップの魅力を代弁しているようだ。
今後の目標は、旭化成が注力している事業分野に深く入り込んで事業成長に貢献することで、CAE技術部のプレゼンスを向上させ、他の事業にも幅広く参画する好循環を生み出すことだ。事業部への能動的な働きかけという点では、バイオリアクターという細胞培養装置の中を流体シミュレーション技術で可視化することで、培養系ヘルスケア分野に貢献していくことが重要なタスクとなる。ヘルスケアの分野は世の中的にもニーズが高まっており、会社としても長期的な成長に力を入れている領域である。
「シミュレーション技術を活用し、世界の人々の“いのち”と“くらし”に貢献していきたいと考えています。個人的な目標としては、流体シミュレーションの第一人者となり、これまで以上に“流体シミュレーションなら安藤”と誰からも認められる存在になることです」
旭化成の成長に不可欠なプロフェッショナルとしての矜持のもと、彼はさらに自分に磨きをかけていく。
今後の目標は、旭化成が注力している事業分野に深く入り込んで事業成長に貢献することで、CAE技術部のプレゼンスを向上させ、他の事業にも幅広く参画する好循環を生み出すことだ。事業部への能動的な働きかけという点では、バイオリアクターという細胞培養装置の中を流体シミュレーション技術で可視化することで、培養系ヘルスケア分野に貢献していくことが重要なタスクとなる。ヘルスケアの分野は世の中的にもニーズが高まっており、会社としても長期的な成長に力を入れている領域である。
「シミュレーション技術を活用し、世界の人々の“いのち”と“くらし”に貢献していきたいと考えています。個人的な目標としては、流体シミュレーションの第一人者となり、これまで以上に“流体シミュレーションなら安藤”と誰からも認められる存在になることです」
旭化成の成長に不可欠なプロフェッショナルとしての矜持のもと、彼はさらに自分に磨きをかけていく。

休日の過ごし方
出不精なので、休日には妻が私を外に連れ出して美味しいお店に案内してくれるのが楽しみです。好きなのはフットサル。普段は昼休みに川崎製造所の仲間とボールを蹴っているほか、川崎駅前のフットサルコートで“個サル”を楽しむこともあります。
※個サル…「個人参加型フットサル」の略称。その日に集まったメンバーでフットサルを楽しむ。
※個サル…「個人参加型フットサル」の略称。その日に集まったメンバーでフットサルを楽しむ。

ある一日の流れ
出社。メールチェック
論文調査。シミュレーションモデル開発
フットサルまたはランニング。
その後、昼食。
論文調査。シミュレーションモデル開発
解析結果の報告打ち合わせ
論文調査。シミュレーションモデル開発
退社