AsahiKASEI専門職採用情報

Staff Interview 社員紹介

2026年 新卒採用 プレエントリー / マイページ

MENU

  1. HOME
  2. 社員紹介
  3. 大橋 一徳

大橋一徳

挑戦を楽しさに変えて
新たな領域へ

2016年入社
専攻科 エコシステム工学専攻卒

大橋 一徳

KAZUNORI OHASHI

マイクローザ工場 製造課 UF製造係

大橋一徳

縁を大切に、未知の分野へ飛び込む

在学中、合成化学の研究をしていた大橋は、地元に旭化成があったこともあり、インターンシップに参加。繊維先端技術センターで研究職に近い仕事を体験し、現場の徹底した安全管理に感銘を受ける。「就職か進学かで迷っていた時期もあった」と当時を振り返る大橋は、とある経験から旭化成への就職を強く意識した。自分自身が原因ではない車両トラブルに巻き込まれインターンシップ研修への参加が遅れた大橋。きっと研修が終わっているだろうなと諦めかけた大橋を待っていたのは、大橋の到着を待っていたインターンシップ担当者の姿だった。「日帰りのプログラムだったんですけど、私の到着を待ってくれていて、マンツーマンで研修していただきました。帰るときも自宅に着いたら連絡くださいと最後まで気遣っていただいて…。一人ひとりに向き合う姿勢を大事にしているなと感じました」。縁とは不思議なもので、このときお世話になった採用担当者とは偶然、学内の就職説明会で顔合わせをする。「ブースに立ち寄ったら、担当者の方から見れば私は、たくさんいる学生の中の1人。覚えていないと思ってご挨拶したら、覚えていてくださって感激しました」。こんな縁はないだろうと感じた大橋は、旭化成への入社を決意。採用試験に臨んだ。
入社後の配属先は、マイクローザ(中空糸膜)のモジュールの生産技術。モジュールを組み立てる際、糸束の両端を薬剤で隙間を埋めて固定するのだが、その工程設備の立ち上げが任された。「完成間近の設備でしたが、操作性の確認をしてマニュアルを制作し、現場作業者に教えることが私の業務でした」。入社1年目、しかも合成化学を得意としてきた大橋にとって、機械は未知の領域。用途に応じて200銘柄近くあるマイクローザを製造するための、重要な設備となるため、大橋は技術設備部に足繁く通い、機械の分野の知見も拡げた。入念に確認を重ねて完成させた操作マニュアルを人に教えることも、大橋にとっては初の挑戦だった。「それまでは、人から教わる立場でしたが、逆に人に伝える立場になって、人に伝えていくことの難しさを知りました」。周りは大橋より年上のスタッフもいる。その中で『円滑に業務を遂行するためにはどうしたら良いのか?』、『人と一緒に仕事をするとはどういうことか?』を、身をもって学んだ大橋は、今度は生産性に関わる技術的な向上を求められることになる。

大橋一徳

高品質な製品の生産性を向上させるために

マイクローザは、ポリスルホンなどが原料のポリマーを溶かした原液で製造されるが、水に入れるとポリマーは固まり外に排出される。このときのポリマーの通り道が細孔となり、中空糸に水を通すと不要な物質が糸の中を流れて排出されるというのが、中空糸膜の仕組み。このろ過膜の孔径、粗めのタイプがMF膜、分子レベルのふるい分けができるのがUF膜。化学用、精密機器用、医療用など、用途によって求められる孔径は違うが、大橋は2年目より、分子レベルのふるい分けができるUF製造に従事。細菌も除去し高い水質のろ過ができるマイクローザUFは、人工腎臓をはじめとした医療の現場でも活用されている。
UF膜の生産性向上の検討を任された2年目の大橋に、製造の現場から問い合わせが入る。ある銘柄の中空糸が変形してしまい、製品にならないというのだ。当然、生産はストップ。「原因を探るため、試験機を使いあらゆる条件で確かめました」。早急な解明が求められる中、素材を変えたり紡糸をしたりと、試行錯誤を繰り返した結果、接糸部品の表面の粗さが原因であると判明。その部品を変更したところ、変形はなくなり、無事に生産を再開できた。このような原因追求やトラブル回避のための解析には、学生時代の研究が活きている。「NMRやIRといった解析装置は研究で使用していたので、トラブル解明の際は即戦力になることができました。研究と仕事はマッチしないと思っていたのですが、大事な場面で活かすことができました」。生産が安定できたことは、大橋のステップアップの力強い後押しとなった。

大橋一徳

周りから一任される存在としての誇り

マイクローザを製造する工程では、溶剤の混ざった排水が発生するため、廃棄できるレベルにまで排水を処理する必要がある。大橋は2年目から、この排水処理設備の管理という重要な役も任されている。現在、2つの処理設備を管理。その設備では、微生物が溶剤を分解する活性汚泥による無害化が行われている。「設備の設計は生産技術課の担当ですが、運転が正常に自動化でき、異常排水を絶対に外に排出しないよう施設を管理することが私に課されています」。
大橋が管理をしている施設の中では、実際に自分たちで製造したMF膜を使用。排水をろ過して、きれいで無害な水にしている。「自分の課で製造された製品が、実際に働いているのを目の前でみると、暮らしを良くすることに役立っているという感覚を得ることができます」。
今、新たな排水処理設備の立ち上げにもメインとして関わっている大橋。それが稼働すると、3つの排水処理設備を管理する責任を背負うことになる。「排水に関しては、大橋なら何でもできる、という存在になりたい」。目指す自分の姿を追って、資格取得や勉強に励む日々。新しいことに挑戦する楽しさを、実感している。「新設備のため、毎日違う作業をしていて、常に新しいことが起こる。この新鮮味は楽しいですね」。

好きが高じて、酒蔵見学へ

休日はお酒を飲みに出かけることが多い。大好きなビールと日本酒の製造工程を知るために、酒蔵見学で新潟へ旅行に出かけたり、大手ビール工場への見学にも参加。飲むだけではない、お酒の世界を楽しんでいる。

大橋一徳