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中島誠

現実を見すえて、
冷静沈着に実現させる

2011年中途入社
理学部 物性学科卒

中島 誠

MAKOTO NAKASHIMA

物流第二部 第二グループ

中島誠

想像を超えた先で開花した専門性

物理も化学も学べる大学へ進学することに決めた中島は、高校卒業と同時に出身地の延岡を離れた。卒業した時代は就職氷河期。就職ではなく高校から続けていた音楽の道を志した。それから数年後、夢半ばにして、電子部品の販売営業の職に就くも、心機一転のためUターンを決意。旭化成の中途採用に応募した。
配属は、物流。「正直、物流の具体的な仕事イメージができていなかったのが本音です。そこにさまざまな専門性が求められる職種だと理解したのは、職に就いてからです」。現在、担当しているのはナイロン66繊維である「レオナ(樹脂)」の物流手配の管理。レオナは自動車エンジン内のシリンダーヘッドカバーやタイヤコードなどでも利用されているポリアミド樹脂であり、エンジン内の過酷な環境やタイヤの形を成形するために必要不可欠なタイヤコードで利用されているもの。優れた性能から世界各国からの引き合いも多い。中島のミッションは、その製品を実際に加工メーカーや製造メーカーの希望に応じて必要なタイミングに必要なロットを届ける手配を行い、刻一刻と変わる状況に合わせてサプライチェーンを維持することだ。延岡工場で製造されたレオナは、トラックや鉄道といった陸路、コンテナ船などの海路で全国に運ばれ、自動車工場の多い中国などへは船で運ばれる。「ただ倉庫からコンテナに積んで運ぶ、という業務ではありません。まずは運び込んだレオナを保管する倉庫を確保し、そこに運ぶための輸送手段を検討します。また、物流業者との交渉、コスト面の調整改善、海外への輸出の場合は諸手続きも担当します」。
一口にレオナといっても樹脂の色や硬度・グレードの違いなどを勘案すると、約1000種類に及ぶ。膨大な種類の中から、中島はお客さまからの要望に対し、最適な種類を的確にスピーディに手配する必要がある。
「物流のメインステージは現場です。当社の得意な、基礎研究、プロセス開発、量産化の検討、製造といった一連の流れから生み出された製品も輸送や保管など現場を知る物流業者の協力なくしてはお届けすることはできません。製造メーカーに届かないと、一般ユーザーに提供する製品も作れません。自分の仕事が世の中の製品を生み出しているという責任感を意識して業務に取り組んでいます」。

中島誠

現状分析が最善な現実を生む

近年の物流を取り巻く環境は、国内ではネットショッピングによる個人ベースでの宅配が増え、世界に目を向ければ、国際情勢が不安定であり、燃料価格も高騰するなど、年々厳しくなっている。そんな状況でも、安定的に製品を全世界へ届けることが、中島に課されたミッションだ。「いかにスムーズに運ぶことができるのか。そのためには、物流業者の方とコミュニケーションを取りながら、新たな倉庫を探して契約を検討したり、人件費を抑えた輸送手段の検討、また安定供給のための輸送ルートの見直しなどに力を入れています」。最適な物流設計を立てたとしても、安心はできない。たとえば、予測できない災害時などがそうだ。一昨年の九州豪雨に見舞われたときは、中島にこの非常事態の対応が早急に求められた。
「線路が閉鎖されたため鉄道で輸送していた我々のルートが遮断。加えて、鉄道の貨物だった農作物などが一気にトラックや船に輸送手段を切り替えたことでパンク状態になり、我々がもともと海路や陸路での輸送を依頼していた荷物にも影響が出てしまったのです」。
そこで中島は、社の他工場の物流担当者や物流業者と情報交換や協議を重ね、輸送手段を再検討。たとえば、九州から新潟まで鉄道で運送する予定だった製品を、いったん船で大阪まで運び、そこから鉄道に乗り換えるのはどうか。それなら、大阪までの海路確保は可能、それに加え途中から鉄道ルートにすることで人件コストも抑えられる。九州での輸送手段に縛りがある中、状況を把握して臨機応変な考えで冷静に検討することで、非常事態を切り抜けてきた。代替手段を複数もつことも、冷静に状況を判断するうえで大切なこと。広島が豪雨で被災したときも、中島は九州での経験をベースに乗り越えた。「ちゃんと現実をみる。そのために自分で考えて、調べて、現場を見て、考えを実現させる」。状況を冷静な目線でしっかりと見すえて、最善を導き出す。これが、中島の流儀だ。

中島誠

困難な中で解決策を手繰り寄せるやりがい

災害をはじめ、突発的な事象が起きたときや、販売条件の変動などにより、そのつど中島は物流設計の見直しを図る。そのとき、何が問題となるのだろうか。製品を無事にスムーズに届けるために、何がネックになるのだろうか。コスト面の問題はないだろうか。さまざまな視点から、運輸業者を含め外部との交渉を行いながら、一つずつ解決策を探っている現在の中島の基盤を創る出来事があった。それは、入社4年目のときに経験した、韓国で物流費料率の交渉だ。かなり厳しい条件での交渉をしなければならない状況で、中島は、終始相手へ敬意を払い、冷静かつ丁寧に交渉を重ねた。「韓国の方は文化として人間関係を重視する。こちら側から厚い信頼関係を大切にしているという姿勢で臨むことで、交渉を成立させることができました」。
業務の課題を解決するためには、ただ製品を送り届けるだけではなく、そこに関わる人との関係性が、最善策の鍵を握る。相手の立場でものごとを考え、妥協点を探りながら冷静沈着に交渉を重ねる。その経験から中島は、物流担当として確固たる想いを持っている。人にポジティブな方向へと動いてもらうことができたとき、良い現場になる、ということ。良い現場からは、最適な仕事の流れが生まれる。中島は、まずは自分が常にポジティブな姿勢でいることに努め、相手と良好なコミュニケーションを図る。その積み重ねが、結果、力となり現場で発揮できるから。中島と同じ延岡で生まれた数々の製品が、日本全国はたまた世界へと、最適な流れに乗って今日も届けられている。

故郷の良さを再確認

神奈川県出身の奥さんとの結婚を機に延岡へUターン。水が綺麗な延岡の海と川での釣りは、休日の楽しみの一つ。また、音楽の道を志していた時代にボーカル担当だったため、全国の物流統括部の忘年会ではメンバーとして声がかかり、今も趣味として楽しんでいる。

中島誠