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Career Stepキャリアステップ
(ラテックス編)

ABS・SBラテックス製造部 ラテックス製造課

それぞれのフィールドで、存分に羽ばたく

各課ごとに、一般社員・運転主任・係長・課長と、順に次のフィールドへと進んでいくキャリアステップがある。
川崎工場のラテックス製造課はまさにモデル通りに、チームとしてそれぞれが自分のフィールドで力を発揮。各々が着実にキャリアの道を歩んでいる。

一般社員

2007年入社 物質工学 専攻科卒

佐藤 公美KUMI SATO

ABS・SBラテックス製造部 ラテックス製造課

女性社員の道しるべとして開拓していく

「製造課の交代勤務という配属をもらった時はびっくりしました」。物質工学専攻科卒で開発を希望していた佐藤は、入社後4年半はオペレーターとして従事。女性一人という環境に不安もあったが、弱音を吐くよりも頑張ってやるという気持ちが強かった。「周りも意識せずに接してくれましたし、私も人の年齢は気にしないので、時間が経つうちに言いたいことも言えるようになりました」。
交代を経た後は、日勤として設備担当へ。プラントの設備改良や新たな設備の検討を担った。そして、今は保全管理など職場の安全業務を担当している。
佐藤にはもう一つ、大切な業務がある。渡邊課長の元にやって来る新しい開発案件の試作だ。「技術開発部がした実験スケールを、実際のプラントでの製造へと調整する役目です。そもそも製造可能かどうか、納期に間に合うかなど、念入りな調整が必要です」。この業務では、ものづくりに携わっている実感が大きい。「ラテックスはいろんな手法がすでにありますが、まっさらな試作もある。最初から最後までものづくりに携われることへの喜びはありますね」。
男性社員に囲まれながら、経験を積むこと10年。上司は佐藤をステップアップさせるために、様々な業務を課している。「普通よりたくさんの業務をさせてもらっています。期待に応えたい。製造に入ったからには自分で楽しみを見つけてきたので、女性でも運転主任など、さらなる経験をしていきたいですね」。

運転主任

2003年入社 機械工学科卒

萩原 弘幸HIROYUKI HAGIWARA

ABS・SBラテックス製造部 ラテックス製造課

人材を育て、事業を成長させる

キャリアのスタートは、水島工場でのオペレーターとしてだった。2005年、川崎にいた社員とトレードという形で、川崎の現部署へ異動となる。「プラントも水島と川崎は違うし、同期は一人だけで他は知り合いがいなかったので、最初は不安でした」。そこからさらに5年オペレーターの経験を積み、2010年にオペレーターを統率するマスターに。その後2014年には日勤として設備担当へ。2016年から運転主任に就任した。現在は部下2人と共に、交代勤務にあたる。「運転を管理するのが主任の役目ですが、部下の安全管理や体調面での配慮も仕事です」。そのためには、日頃からコミュニケーションをはかり、現場の本音を拾うように努めている。
「部下とはいえ、マスターは僕よりも年上で経験も豊富。だからトラブルがあった際、判断は主任の仕事ですが一緒に相談して決めるようにしています」
萩原がまだ新入社員だった頃。分析値を転記するときに小数点を一桁間違えるというミスをしてしまった。間違えたのは自分。でも何も対処できない。結局、先輩たちがすべてフォローして、事なきを得た。「今は逆の立場になりましたが、部下を責める気持ちにはなれないんです。ミスをしてしまうようなことを改善してなくて悪かったなという気持ちになる。配慮と考えることが、私の仕事におけるテーマです」。優秀な部下を育てるために、傷つけないよう指導したり、双方が納得できる叱り方をするように配慮する。結果、事業が成長する。それが萩原流。

係長

2000年入社 機械工学科卒

本間 研吾KENGO HONMA

ABS・SBラテックス製造部 ラテックス製造課

業務に伴う責任の広がりを受けとめる

佐藤や萩原が辿っているキャリアを、猛スピードでステップアップしてきた本間は、現製造課に従事して17年目。「最初の5年間は交代勤務、その後の5年は日勤で安全や保全を担当し、運転主任へ。2年前から係長として23名の部下をみています」。現在はマネージャーとしての役割も大きい。たとえば、運転主任である萩原のサポートがそれだ。「運転主任は夜勤では工場の最高責任者として、事故がないか、部下が安全かどうかなど、緊張感が大きい。気持ち的な支えになるようにしています」。係長として、人員の配置も重要な任務。技術レベルが偏らないように、また運転員の相性なども考慮する必要がある。「人を知らないとできない。だから、部下の話を聞いたり、現場にもよく顔を出します」。
係長になり、課全体の予算管理も任されるようになった。「ステップアップすると一つ視野が広がる。管理者というポジションの目線に変わりました。責任も広がっています」。
現場をもっと良くしたい。それは本間も現場もみんなが思っていること。だから、現場があげてくる改善提案書に予算をつけて、改善に取り組む。優秀な提案は表彰もする。「今は評価する側になりましたが、頼もしいな、成長しているなと実感します」。
今やるべきことは、ラテックス製造を安全かつ安定化させ、納品先に迷惑をかけないよう、予算の枠組みで作っていくこと。「今は現場の長としてですが、今後は事業の全体像をみて検討業務をやっていきたい」。それが、自分の、そして事業の発展につながっていく。

課長

1989年入社 工業化学科卒

渡邊 哲SATOSHI WATANABE

ABS・SBラテックス製造部 ラテックス製造課

部下の生活まで背負う覚悟

キャリアステップを着実に歩んできた渡邊。「入社後10年間は、ABS樹脂の製造プラントで運転を担当。その後現部署に異動になり、すぐ運転主任になりました」。2007年には係長となり、現役職に就いて5年を迎える。「プラント運転なので運転管理や安全管理は不変ですが、フィールドにより責任の重さとやりがいは変わりますね」。
ここ最近、水島と川崎のプラントを統合する動きがあった。常識的にはとても難易度が高い、壮大なプロジェクトだ。渡邊は課長として、研究部と営業部、また水島の製造部と肩を並べ、1年間で水島のプラントを川崎に移し増設することに成功。「営業や研究から無茶なスケジュールを出された時に、私としては部下に無理はさせられない。安全面は絶対だったので、そこは一線を引いて、相手を説得しました」。部下を守りながら、任務を確実にこなしていく。まさに課長に求められる責務だ。
別の業務として、営業部がメーカーから欲しい商品をヒアリングして、技術開発部がそれを実現させようとする際に、実際の製造が可能かどうかの判断が渡邊に託される。「部下に試作を頼んで検証します。新しいその製造が果たして5年後10年後の安定した収益になる可能性があるか。そこも視野に入れて判断します」。将来のために種を蒔く。それには、若い社員を育てて強い組織にしていくことも重要だ。今も頻繁に現場を訪れ、そのつど指導を怠らない。
現在、渡邊は25名の部隊の長。「本人だけじゃなく、その家族や生活も自分が守っているという気持ちで仕事をしています」。その気持ちも、物事の判断の基準になっている。