INTERVIEW
- 2002年4月1日
入社17年目/40歳 - メディカル事業
医薬・医療系技術職 開発部門マネージャー職
患者さんの「生きる希望」を支える
製品を届けるために
血液浄化技術開発部では患者さんや医療従事者の声に応えるために、旭化成独自の技術を駆使して新製品の開発を進めています。私たちがつくりだす医療機器のほとんどは、薬が効かない病気で苦しんでいる患者さんや原因が分からない難病の患者さんのためのものです。私は製品化までのさまざまなプロセスを担当しているのですが、そうした多くの患者さんの「生きる希望」を支える製品を開発するために、医療現場を直接訪問することで自分の目で直接ニーズや課題を発見し、製品コンセプトを創造しています。また、人の命に関わる製品であるため、安全性の検証に関しては時間をかけて慎重に行っています。他業界の製品であれば問題にならないような小さな懸念事項であっても、安全・安心な製品を世の中に送り出すために労を惜しむことはできません。しかし、安全性の担保は製品の性能向上やコストの問題とトレードオフの関係になってしまうケースが少なくありません。こうした難題に対し、チームのメンバーとコミュニケーションを取りながら諦めずに粘り強く考え抜き、最終的にサイエンスの力で安全と性能・コストを両立できたときには、空を覆う雲が晴れたような清々しい気持ちになります。
旭化成の強みは担当者一人ひとりが
プロ意識を持って仕事ができる環境
旭化成の魅力は「素材」をキーワードに石油化学、繊維、住宅、医療、電子材料など、多岐に渡る分野で成功していることにあると思います。私自身もそうした幅広い分野で自分の専門性を生かし、国内外で活躍したいと考えて入社を決めました。すでに入社から16年が経ちますが、誰もがプロフェッショナルを目指せる環境は、旭化成の大きな強みであると考えています。会社全体に現場の声を大切にするという文化が根付いているため、年齢や役職、経験年数に関係なく誰もが意見を聞いてもらえる環境があります。それによって、担当者一人ひとりがプロ意識を持って仕事をすることができるのです。もちろん、私が所属する開発部門でも同じです。製品全体の設計はもとより一部分の細かな設計であっても「患者さんの安全を守るためにはこうすべきだと思います」「ここは絶対に譲れません」という一人ひとりの発言を必ず受け入れ、全員で議論をしながら開発を進められる環境こそが、製品のクオリティに直結しているのではないかと思っています。
患者さんからの感謝や激励の言葉が、
心の底からの充実感につながる
自分が持っている技術・知識を駆使して、誰かの“いのち”を守るということは技術者にとって究極のやりがいになると思います。自分が携った製品が臨床現場で使用され、ほんの少しでも「自分の力で患者さんの人生を変えられた」と感じたときには大きな喜びを感じますし、臨床現場を訪問した際、患者さんから直接感謝や激励の言葉を聞いたときは「この仕事をやっていて本当に良かった」という充実感を心の底から得ることができます。現在、旭化成の医療機器は世界中の医療現場で使用されています。例えば透析現場ではアメリカ、ヨーロッパ、中国などで、「Asahi KASEI」と書かれた人工腎臓(透析器)に毎日患者さんの血液が流れています。一方、現在私が担当しているアフェレシス製品のように世界で唯一、旭化成だけが製造・販売している医療機器もあります。私たちが開発する機器で治療を行える可能性がある全ての患者さんに機器を届けるべく、これからも使命感と責任感を持って自分の仕事と向き合っていきたいと考えています。