未来をつくる人 高度専門職に任命されたプロ中のプロたち
尾瀬 淳

2020年度就任
臨床開発センター 臨床計画部
臨床薬理グループ長
尾瀬 淳
リードエキスパート
博士(薬学)

Ose Atsushi

「基礎技術と先端技術」「非臨床と臨床」の
つなぎ役として確かな手応えを感じています。 

尾瀬さんの
ご経歴と専門性

大学院修士課程で医薬品の代謝的活性化についての研究を行い、2002年に外資系大手製薬会社入社。同社研究所の薬物動態研究部に所属し、探索化合物および開発候補品の薬物動態評価に従事していた。2005年に国立大学に出向し、血液脳関門の薬物トランスポーターの解析に関する研究論文で博士号を取得する。非臨床領域で知見を深めた後に旭化成ファーマに転職し、臨床薬理へとキャリアのステージを移行。現在までに臨床薬理の基本的業務(臨床薬理戦略の策定、Phase 1試験・臨床薬理試験の立案・実施など)に加え、非臨床と臨床をつなぐトランスレーショナル・リサーチ(TR)とモデリング&シミュレーション(M&S)を主導・総括し、創薬の高効率化を進めている。

1つの領域を深めることも大切だが、
新たに芽吹いた他への興味が専門性を広げる。

私は大学の薬学部時代から修士課程、そして新卒で入社した外資系製薬会社研究所を経て旭化成ファーマに転職するまで、非臨床の薬物動態領域で専門性を究めてきました。その非臨床に専門特化したキャリアに自ら一石を投じることになったのは、前職4年目の国立大学への研究生としての出向でした。そこで臨床薬理業務に従事している人たちに出会ったことで、それまでの薬物動態に基づいたヒトへの安全性や薬効に関する予測業務だけではなく、実際にヒトを対象に答え合わせを行い、さらにその先の段階を目指す臨床業務に興味を持ったのです。
その後、2009年に旭化成ファーマに転職したのですが、その際に希望したのは臨床薬理部門への転身でした。それから約15年、様々な開発候補品を対象に臨床薬理業務とM&SおよびTRを担当してきました。2016年からは臨床薬理グループのリーダーとなり、部下たちの業務をマネジメントしています。

Prifle

私のプロフィール
2002年
新卒で外資系大手製薬会社研究所に入社。
2005年
国立大学大学院薬学系研究科に研究生として出向。
2009年
旭化成ファーマ入社。
臨床開発部門へのキャリアチェンジを応援してくれた旭化成ファーマへの入社を決めた。
2020年
リードエキスパートに任命。
非臨床領域と臨床薬理領域をカバーする広範なスキルをベースに、様々な先端テクノロジーを先駆的に導入することで現状の研究開発課題をクリアしていく姿勢が評価されている。

高度専門職につながるスキルアップの機会は、
常に問題意識を持つ中で見つけられる。  

最新の科学の進歩をキャッチアップし、それを創薬のあらゆる場面に活用しなければ、今の時代に新しい薬を生み出すのは困難となっています。高効率な創薬を進めるためにも、従来にはなかった技術や手法の導入は極めて有効です。非臨床から臨床薬理へと専門を広げた私は、コンピュータを使用して薬物動態と有効性・安全性の関係を数式で表現し、その数理モデルに基づき種々の用量での有効性・安全性を予測するM&Sに着目。妥当なPhase 2・Phase 3の用量を導き出すこの方法論は、今後は避けて通れないテクノロジーだと判断した私は、この分野の有識者であるエキスパートの下で集中的に学ぶことで、M&Sを実行する際に必要なスキルを獲得しました。
現在はデータサイエンティストとタッグを組み、M&Sで臨床薬理業務を大幅に進化させ、旭化成ファーマの臨床開発へ貢献できていることに確かな手応えを感じています。このように、問題意識を解決しようとする意欲、そこで見えてきた新しい技術を獲得する努力、そして結実した価値の高いスキル。それが私のリードエキスパート任命につながったのだと思います。

高度専門職はスキル面で先を歩むことが基本。
同時に他者に倣い助力を求める柔軟性も必要。  

M&S導入に加え、もう一つ私が高度専門職の立場で進化させてきたのが、非臨床と臨床をつなぐTRです。TRとは、Phase 1試験にて評価すべき項目(バイオマーカーなど)を定めることで、Proof of Concept取得の確度向上を目指す活動のことです。10年ほど前 から、研究職の方々に助けられながらTRに取り組み、これまで及第点の成果を残すことができました。しかし、今後の開発パイプラインの増加を踏まえると、TRの更なる生産性の向上が大切です。そのために、私以外にTRを牽引できる人財を、組織を超えて見出し育成することを始めています。高度専門職にはあくまでも一つの専門を極めていることが不可欠ですが、TRのような役割を果たせる高い視座・広い視野も期待されます。
一方で、マネジメントも担う高度専門職には、ともに歩むメンバーの意見を尊重し、時には助力を求めるような柔軟なヒューマンスキルも求められます。そうした取りまとめ役を果たすためにも、社内影響力をもたらす高度専門職制度はとても有効だと思います。