未来をつくる人 高度専門職に任命されたプロ中のプロたち
医薬生産センターCMC研究部 エキスパート 高島 好聖

2022年度就任
医薬生産センター CMC研究部
高島 好聖
エキスパート
研究開発領域(プロセス化学)

Misato Takashima

エキスパート就任で後進のロールモデルになり、
培ってきた技術とノウハウを残しやすくなりました。 

高島さんの
ご経歴と専門性

米国大手製薬会社、アカデミア、旭化成ファーマと研究者のキャリアを重ね、その間に獲得した知見は、創薬の基礎研究から開発までのステージを幅広く網羅。現在は医薬研究センターCMC研究部長。特に原薬の製造委託に関する事業推進のノウハウについてはファーマ社内トップクラスと評される。製造委託先など約400社の製造技術、委託実績、コスト、印象等を某グルメサイト形式で整理し、社内限定で運用している「委託ログ」は、CMC領域の治験共有に大きく貢献している。
(CMC=Chemistry Manufacturing and Control:医薬品を製造する際の生産プロセスや評価方法の開発部門)

コアスキルは、有機合成化学をベースとした原薬の製造プロセスに関する知識と製造委託先の管理ノウハウ。

2023年10月にCMC研究部長を拝命しました。CMC研究部は、お薬の有効成分である原薬の製造、治験薬の製剤化、そして品質管理を担う専門家集団です。私たちは、「探索から商業生産に至る一貫したCMC研究開発基盤を構築し、豊富なアイデアと確かなサイエンスで旭化成ファーマの成長を牽引する」ことをミッションに掲げています。新薬の創出に必要なサイエンスや技術は日々進化し、安定供給のためには社会情勢や環境変化への対応も求められます。こうした期待に応えるには、高度な専門性が必要です。
私がエキスパート認定の対象になったのは、開発加速化力、社外ネットワーク形成力、そしてグローバルマネジメント力にあると考えています。具体的には、低分子医薬品の製造コストを緻密に分析して可視化することでコスト削減戦略を立案。原料調達や委託先選定を通じて、国内外の委託先と折衝を行いながら高品質かつより低コストな製造を実現したことが評価されたのだと思います。

Prifle

私のプロフィール
2000年
新卒で米国大手製薬会社の日本法人に入社。新規化合物の探索研究に従事。
 
2007年
研究所閉鎖に伴い、アカデミアへ転職。放射性診断薬(イメージング剤)の開発に関与。
2011年
医科大学の助教に就任。臨床試験を目指した新規イメージング剤の製造法開発に関与。
2013年
旭化成ファーマ入社。チームで成果を追求する企業文化と、化学系のトップ企業でありメガファーマと一線を画す創薬力に魅力を感じて転職。
2022年
エキスパートに就任。実験室レベルで作られていた化合物を工場で量産するための製造委託をマネジメントできる専門性が評価されたと認識している。

CMC部門初のエキスパート就任が、 メンバーのモチベーションを刺激。 

私がエキスパートに任命されて心から良かったと思うことは、CMC研究部からは初めての高度専門職の輩出ということで、CMCからも高度専門職への道があることを研究部の仲間に示すことができたことでしょうか。CMC研究部では、二人目の高度専門職者も誕生しました。その結果、次の認定者を目指して努力を重ねる中堅クラスの研究者や、エントリーを目指す若手研究者など、成長意欲の高いメンバーが増えています。CMC研究部全体のサイエンスと技術力の向上に責任を持つ私にとって、これほど頼もしいことはありません。
私自身も、海外の製造委託先を管理するグローバルマネジメントのスキルや、調達から委託製造に至るコスト管理ノウハウの継承に日々注力しています。そうした中で私を追い越す勢いのあるメンバーが何名も育っていることを感じ、マネジメントの立場として非常に嬉しく感じています。

原薬や治験薬の確かな供給や次世代研究者育成で、ファーマを継続性のある強固な組織に。 

エキスパート就任が2022年10月、CMC研究部長拝命が2023年10月。現在の私は相次いで任された大きな二つの役割を両立させるため、膨大な情報量に振り回されながらも奮闘している状態です。専門性をさらに極めるためのプロセス技術等のサイエンスの探求と、CMC業務推進や人財育成という管理職業務を併行して行っているのですが、いずれも手を抜くことはできません。一人のミッションとしては大変に重いものを感じています。それでも周囲から期待されている分だけやりがいはとても大きく、楽しさも強く感じています。時間がない、あれもない、これもないと勝手に自分にブレーキをかけそうになることがありますが、やってみよう!の気持ちを忘れず、目の前の業務+αの行動を心がけています。
エキスパートの就任期間を精力的に駆け抜け、すべての研究開発ステージにまたがる多様なパイプラインの原薬や治験薬を適切なスピードで供給するために、CMCマネジメント力を発揮していきます。それに加え、次世代研究者の育成を通じて、ファーマを今以上に高度専門技術が受け継がれ持続的に発展していく強固な組織に導きたいですね。