研究開発現場で実感したMIの重要性。
MIを進化させることで研究開発に寄与したいと、
専門組織を持つ旭化成に転職。
研究開発職としてAI活用の必要性を実感し、
MIにキャリアの軸足を移すことを決意。
大学が農学部で生物系の研究をしていたことから、新卒では農薬を専門とした化学メーカーに入社し、製剤開発に従事していました。試行錯誤の連続で、何十個、何百個といった数のレシピを試していくのですが、もっとAIを取り入れて効率的にできないかという考えから自発的に取り入れ始めたのがMI(マテリアルズインフォマティクス)です。会社にも提案をし、自らAIや統計解析を学びながらではありましたが、その重要性を強く実感するようになりました。研究開発も楽しいけれど、もっと進化させていくためには新しい技術を導入していく必要があると考え、片手間ではなく、MIにキャリアの軸足を移すことを決めました。また、単身赴任で東京に戻りたいという事情があったのも、転職の理由の一つです。MIに専門的に取り組める会社はまだ少なく、その中でもインフォマティクス推進センターという組織を立ち上げて本格的にMIを推進し、既に成果を出していたのが旭化成。研究開発の現場もMIを使うモチベーションが高く、協力的な環境で新しいことに取り組めるのではと感じました。保守的な印象が強い化学業界の中でも、親しみやすい雰囲気がホームページから感じられたことも決め手の一つです。
全社を挙げてMIやDXを推進しているため、
研究開発現場とのシナジーが生み出しやすい環境。
インフォマティクス推進センターのミッションは、MIの活用や推進によってマテリアル全般の研究開発を加速させていくことにあり、触媒、樹脂、医薬系など幅広い材料の開発で数々の成果を上げています。しかし、さらなる加速や、革新的な材料の開発のためには、MIの成否を握る学習データの質と量を大幅に充実させる必要があり、ここが今の私の主な担当領域です。当初は自分たちで実験をして蓄積したデータを使うという発想でしたが、特許情報など外部のデータも活用することでその量も範囲も格段に広がり、少ない実験でMIのモデルを構築できるようになります。一方で外部データは、ソースによって実験条件などのデータ項目が大きく異なり、そのままではうまく学習できません。文献のような非構造データの場合はさらに、文章の中から必要なデータを抽出して構造化する難しさが加わります。そのため、最先端のデータサイエンス技術の活用や、オントロジーといったデータを体系的に記述する新概念の導入が欠かせません。このような課題に向き合いながら、自分で考え新しい取り組みにチャレンジしていく毎日です。そして、旭化成の魅力は、やはり研究開発現場のメンバーが協力的であるということです。もちろんデータが無限にあればいいですが、より少ないデータで性能高く機械学習させるためには、現場で蓄積してきた豊富な経験と研究者の勘が欠かせません。全社を挙げてMIやDXを推進する動きがあるため、データサイエンティストにとっては仕事がしやすく、現場とのシナジーが生み出しやすい環境だと感じています。
様々な事業部でMIの種が次々とまかれている時期。
旭化成のMIの標準形を作れる面白さがあります。
旭化成でMIに取り組む魅力は、今まさにMIの活用がどんどん現場で広がっているので、自分のやりたいことに取り組みやすいという点です。組織としての研究開発テーマ以外にも「自分自身で見つけてきた仕事をしたい」「アイデアを形にしたい」ということも可能ですし、むしろそのマインドこそが求められていると感じます。昨今ではリモートワークが促進される中で、延岡や富士など全国の拠点とのコミュニケーションが取りやすくなり、「ここにもMIが取り入れられるのでは」といった意見交換も増えました。ほぼ同時期にキャリア入社した同僚が今、自然言語処理に関するオンライン勉強会を主催しているのですが、インフォマティクス推進センター以外からの参加者もいます。こうしたところからも社内のMIへの意識の高さを感じますし、私自身ももっと成長したいと刺激になっています。旭化成では現在、MIの種がどんどんまかれているので、全社で使えるプラットフォームを作ったり、会社のMI標準形に自分のアイデアを組み込んだりもできる面白い時期。今後はさらにマテリアル領域以外にも広げて、全テーマでAIや機械学習が日常的に活用される、そんな世界観を実現していくのが私の目標です。
その他の社員インタビュー
各社員の仕事に対する想いややりがい、仕事内容、
入社理由などをインタビュー形式でご紹介します。