AsahiKASEI

Recruitment 2018

研究・開発 山川 暢英

ヘルスケア研究開発センター 医療IT研究部
情報学研究科 修士 2011年入社

音に魅了され、旭化成の門を叩く

国内の大学を経て、英国留学した山川。彼を突き動かしたのは「音への飽くなき興味」だった。留学先は、音響工学の分野では世界的に知られる大学。音響技術者への登竜門だ。ところが、音づくりについて深く学ぶうちに、「人間はなぜ音が聞こえるのか」といったような根源的な問題に興味の対象が移る。そこで音声認識の分野で実績のある国内の大学院で修士過程に進んだ。そして就職活動の時期を迎えると、山川には「音の技術で世界を変えられないか」、という野心が芽生えていた。絶好のタイミングで学内の会社説明会があり、そこで旭化成が化学だけでなく、音声認識事業も手掛けており、それらを医療や住宅分野にも発展させようとしていることを知る。面接を受けると、「この会社なら今まで音だけで掘り下げてきた専門性を、もっと広い世界で活用できる」と確信し、入社を決めた。
実際に、数多くの領域で基礎研究を進めている旭化成は、音声認識技術についても有数の研究実績を残している。自社開発した音声認識ミドルウェアの「VORERO」は、既に車載機器・携帯機器・家電機器などに組み込まれ、他にも生体信号を対象にしたヘルスケア技術の研究開発が進んでいる。

心音の解析技術で築く健康社会

現在、山川は心臓が発する「心音」をコンピュータで解析し、心臓病の兆候や重症度の判断を支援するデバイスのアルゴリズム開発に取り組んでいる。心臓は血管を通して身体中に血液を送り込むポンプの役割を果たしているが、弁の開閉が正常ではなくなったり、心臓に直接つながる血管が常態よりも細くなったりすると、正常時にはない雑音が発生する。その微かな雑音を拾い、波形を解析。そして正常な心音と異なると判断して異常検知を知らせるデバイスを開発することで、医師の診断に役立てるのが目的だ。心電図や心エコーも含め、今も心臓病の診断方法は人間である医師の感覚や知識に頼っており、誤診や見逃しはなくならない。そこに、人間の知覚能力を大きく超えて正確な解析技術を導入することで、この問題を少しでも解決しようというのだ。山川はこのデバイスのアルゴリズム開発のやりがいを次のように言う。
「医療ソフトウェア開発の最初の山は、アルゴリズム開発に必要な大人数の患者データを医療機関から集める臨床研究です。次にその膨大なデータを観察し、緻密にロジックを積み立てていく技術開発の山が待っています。長い道のりですが、大量のデータを使って生体の異常をコンピュータに理解させるという先端技術研究の成果が、そのまま医療に役立つのですから、日々大きな意義を実感しながら研究開発に臨んでいます」

医学を語れる技術者になるために医大に通う

医療と音声認識が交わる領域の研究を進めていく山川は最近、生体に関する知識が不足していることに大きなジレンマを感じるようになっていた。研究内容が深まるほど、研究成果を自分の言葉で説明できないことに、もどかしさを感じるようになったのである。そこで、最初は専門書や解説書を読み込み、そこでも分からないことがあれば医師に聞きに行った。しかし、この勉強が山川をより専門性の高い地平に導いて悩ませる。人間の生体の人知を超越したメカニズムの精緻さや、体全体から心臓への複雑な作用についてなど、興味が益々膨らんでいくばかりだったのだ。居ても立ってもいられなくなった山川は思い切って、上司に医療機関で学ばせてほしいと打診した。すると上司は当然のことのように許可を出した。こうして、山川は週に2回、会社の支援を受けて、某医大の工学者向けのカリキュラムを受講することになった。
「医学部の学生が3年間かけて学ぶコースを1年間に凝縮した、解剖実習もある本格的な内容です」
こう語った時の山川の顔は、医学生そのものだった。

目指すのは診断プロセスの一大変革

新たな領域の扉を開くことで、視野は格段に広がっていくものだ。山川も、医学に関する知識を習得したことにより、医療に貢献するという目的のためには音だけにこだわらないようになってきた。身体が発する音は数ある生体信号のひとつ。今後はさまざまな生体信号を扱える診断システムのエキスパートになりたいと言う。
「まずは心音解析をベースに、心臓疾患を聴診器並の手軽さで正確に発見するシステムを目指しますが、いずれあらゆる疾病の初期症状をさまざまな生体信号の認識技術で察知する検診システムへと昇華させたいと考えています。人間には見えない病気の兆候を察知し、病気になる前に診断と処置を終わらせる、究極の健康社会を実現したいのです」
こうした高くそびえる目標に果敢に挑む山川にとって、旭化成で行う研究開発には特有の魅力があると言う。
「ここには私以上に音声認識を極めた先輩や、データ解析のスペシャリストなど、高度な技術を持った仲間が多数在籍しています。また、旭化成が多彩な事業領域を持つことから、幅広い視野で事業展開を考えながら研究できるのも強みです。今後は社外との技術融合も積極的に進め、今必要な技術を一日でも速く病床へ届け、人びとの健康に貢献していきたいと考えています」

休日の過ごし方

通勤時間にタブレットで観るほど、ドラマや映画鑑賞が好きです。休日になれば映画館や、舞台を観に劇場にも足を運びます。特に非日常的なストーリーが好きですね。いつか趣味で脚本を書いてみたいと考えています。

1日の流れ

出社 メールチェック・情報収集

当日のタスク・スケジュール確認

コーディング・データ観察

昼食

チームミーティング

チーム内勉強会

コーディング・アルゴリズム検討

退社

想いを貫く現場からOur Employees

技術職の社員

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